Last Updated on 2025年12月7日
以前、日本からフランスへ荷物を送る方法についてご紹介しましたが、今回はその続編として、フランスで実際に荷物を受け取った際のとほほな体験と学びを共有したいと思います。
Contents
荷物の受取りは、忍耐と戦略が要る?
日本出国直前の8月下旬、航空便と船便に分けて複数の荷物を発送しました。日本の郵便局から送る時も何かと大変でしたが、フランスの郵便局から受け取るのもまた大変でした。
というか結局、私の部屋まで荷物が無事に届くことはありませんでした…。
入居前に荷物が届き、日本に送り返されかける
8月下旬の話になりますが、私はアパート入居日より数日早く出国することに。
日本郵便によると、航空便は1週間から10日で荷物が届くとのことで、最短で届いても受け取れるようスケジューリングして、出国直前に荷物を送りました。
しかし航空便の方はなぜか予定よりも早く荷物が届いてしまい、アパートに送り先の私の名前がないとのことで、「住所不備」で日本に送り返されるはめに。
その知らせを知ってからすぐに現地に住む友人の助けを借りて、何とか返送を阻止。しばらく最寄りの郵便局で預かってもらうことになりました。
しかしアパートへの再配達はできないとのことで、郵便局まで行って荷物を受け取り、自力で自宅に運びました。20kg近くの荷物を抱えながら、高くついた送料を返してほしいと心の中で叫び続けたのはいうまでもなく。

気まぐれで発生する「関税」の謎
10月下旬、La Posteから立て続けに2通のメールが届き、身構えしました。
ひとつは「船便の荷物が間もなく届く」という通知。

そしてもうひとつは「あなたの発送物には関税が(14€)かかるので、支払いの準備をせよ、事前入金大歓迎」という指示。

驚いたのは後者です。
送ったのは留学生活に必要なユーズドの衣類と日用品で、販売目的ではありません。しかも同時期に送った航空便には関税は一切発生していません。税関書類の余白にも「留学生活に必要な個人的な物品」と明記していたのに。
この船便だけが関税対象になったのは、もはや担当者の気まぐれ(caprice)としか言いようがありません。
「住所不備」という落とし穴
関税の不条理に首をかしげながらも荷物の発送メールを待ち構えていたところ、数日後に届いた新たなメールにはこうありました。

「住所不備により配達できませんでした」
原因は、同じ番地に複数のアパルトマンが存在するため、配達員が私の部屋がどの建物か特定できなかったとのこと。
このためポストに不在票が残ることもなく、荷物は宙に浮いたまま。メールで案内されたLa Posteのフォームからすぐに送り先の住所情報を追記しましたが、その後、La Posteからの音信はぷつりと途絶えてしまいました。
営業時間の確認は入念に
基本的に平日は終日授業があるため、自宅近くの郵便局に行く時間はありません。仕方がないので、その日の週末に郵便局に行くことに。しかし、ここでフランスらしい時間の壁にぶつかります。
祝日の壁
通常、週末でも土曜日の午前中は営業していますが、その日はToussaint(諸聖人の日)で郵便局は完全休業でした。日常的に使っているGoogleマップにはそのような情報が掲載されているはずもなく、空回り。
お昼休みの壁
仕方がないので翌週、午前中の授業後すぐに郵便局に出向くも、こちらは昼の時間帯(12時から14時)には窓口は閉鎖。郵便局の入口に何人もの人が営業再開を待っていました。
全ての郵便局が昼休みを設けているわけではないようですが、フランスでは「働かない時間」もまた尊重されているのです。
そのとき、頭をよぎったのがこの言葉。
“Efficiency is overrated.”
――効率は過大評価されている。
ようやく窓口が開き、追跡番号を伝えると、職員が淡々と告げました。
「残念ですがこの荷物はもう、日本に送り返されたようです。」
一瞬怯みましたが、これは以前も同じような回答がありました。この時は友人に頼って事なきを得ましたが、今回は自分で何とかしないと。
藁をもすがる思いで、でも真顔で頼みました。
「住所不備の通知が来たのはほんの数日前なので、まだどこかにあるのではないでしょうか。もう一度、よく確認してもらえませんか?」
マダムは仕方なさそうに奥に消えていきましたが、しばらくして手ぶらで戻ってきました。
「C’est bizarre(おかしいわね)」と首を傾げながら、他の局員とパソコン画面を眺めています。
「ありました。でも荷物はもうここにはなく、地方の倉庫に保管されているようです。そっちに行ってみてください」
なんとその荷物は「今日」日本へ返送される予定とのこと。今回も再配達を頼む選択肢は与えてもらえず、おまけに日本に送り返す際の送料はこちら(顧客側)が負担しなければならないとのこと。ひどすぎる!
なんとも不条理だと思いつつ、その日のうちに地方の倉庫へ遠征することを決意しました。午前中の授業後、最速で郵便局に足を運んでよかったです。
倉庫での再会と関税交渉
結局、閉館間際にラ・ポストの倉庫に駆け込みました。

倉庫前でタバコを吸っている人に話しかけて追跡番号を見せたところ、担当のマダムが笑顔で段ボール箱を持ってきてくれました。
「危うく送り返すところだったわよ」
しかし、ここで再び関税問題が再浮上します。
マダムは当然のように支払いを求めてきます。
私は拙いフランス語で、荷物の中身は販売用ではなく、留学生活に必要な私物だと粘りました。
箱に貼られたインボイス(内容明細)や、学校からもらった入学証明書を見せ、さらに同じような内容の航空便では関税が免除されたのに、これだけ別対応はおかしいことも説明。
長いやりとりを経て最終的には私の粘りが認められ、関税は免除となりました。
こうして2ヶ月半ぶりに、見覚えのある、丁寧に梱包した段ボールとの再会を果たしたのでした。


フランスで荷物を受け取るヒント
荷物を受け取る際に最大限トラブルを避けるための方法として考えられることは、以下のとおりです。
La Posteにアカウントを作り、定期的に追跡の確認を
日本郵便での追跡情報は、日本離陸後に止まってしまうことが多いですが、同じ追跡番号をLa Posteのサイトに入力すると、フランス入国後の配達状況を確認できます。
といってもLa Posteの追跡情報も、フランス入国後に急に更新される場合が多いです。
La Posteのアカウント登録をしておくと、荷物に関する通知などを受け取れるので(少しは)安心です。
住所は配達員の目線で書く
これは発送時のポイントになりますが、建物名(Résidence名)、部屋番号(Numéro d’appartement/chambre)、家主など郵便受けに表示されている名前(Chez M./Mme~)を明記しましょう。
また、La Posteからの事前の配達案内で住所修正の機会がある場合があるので、不備があればその時に修正しましょう(必ず反映されるわけではないようですが…)
郵便局の時間軸に合わせる
La Posteは日本のコンビニようにいつでも開いているわけではありません。昼休みは閉まることが多く、土曜の午後や日曜、祝日はほぼお休みです。
Googlemapの情報は最新の情報ではない場合がとても多いので、訪問前にLa Posteの公式サイトで営業時間をチェックすることを強くおすすめします。
終わりに フランスの事務は非効率か
フランスの郵便をはじめ、お役所などの窓口業務に携わる方々の仕事ぶりについて、しばしば悪い評判を耳にします。しかし実際のところ、彼らの対応は、日本とは異なる労働観の上に成り立っているように思います。
彼らは自分たちの役割の境界をしっかり引いていて、業務の範囲外のことには一切口を出さないし、自分の時間を犠牲にしてまでのサービス精神など存在しません。その一方、徹底的にルールに従うという訳ではなく、自分が受け持つお客さんの困りごとには辛抱強く耳を傾け、裁量でなんとか問題を解決しようとする様子をしばしば見かけます。
それは良くも悪くも、スピードや秩序よりも、人間のペースで動くことを大切にしているようにも思います。
とりあえず今、段ボールの中身(ヒートテック、タオル、ラップ、ウェットティッシュなど)が、まるで宝箱のように輝いて見えます。厳重に包んだはずのお茶碗は割れていましたが…。
