Last Updated on 2025年11月26日
11月の第3木曜日といえば、おなじみボジョレー・ヌーヴォー解禁日です。
フランスといえど、ここはロゼが主流の南仏です。ボジョレーはもっと北の文化だから、それほど盛り上がることはないだろうと思っていましたが、その予想はうれしい形で覆されることになりました。今日はその話を。
今年のヌーヴォーは
フランスのメディアによれば、2025年のヌーヴォーは苺やフランボワーズのような純度の高い果実味が特徴だそう。軽やかで飲みやすいのに、香りには密度があり、丸くしなやかで均整のとれた味わいとのこと。単に軽いだけの新酒という従来のイメージとはだいぶ異なり、次の季節まで楽しめる仕上がりだと専門家が評価していました。
そんな前評判を聞けば、期待しないわけにはいきません。
昼はボジョレー講座
そして迎えた解禁日。当日のお昼休み、「フランス文化に触れる」という位置付けのもと、MBA生限定で外部講師を招いたボジョレー・ヌーヴォー特別講義が開かれました。
華やかなマダムのお話では、解禁日に合わせてレストランもワインバーも特別なイベントを用意し、多くの人が楽しみにしているとのこと。
夜は旧市街へ
午後の難解な統計の授業を終えた後、ニースの旧市街地へ向かいました。まだ6時前なのに、辺りはもう真っ暗。気温は5度で、この地域の年間最低レベルの寒さ。まだ人気はあまりなく、旧市街の古い街並みは穏やかな街灯に点され、幻想的な雰囲気が漂っていました。

しかし解禁日とあって、この日のワインバーの多くは要事前予約。一軒目のワインバーでは、若いムッシュおすすめのボジョレー・ヌーヴォー・ヴィラージュをいただきました。

ひと口飲むと、確かに苺のような果実香がふわりと広がります。軽い口当たりながら、後味には若々しいぱちぱちとしたエネルギーのようなものが感じられ、今年の表情を知る事ができて少しばかり嬉しくなりました。

その後他のクラスメイトたちが合流し、2件ほどクラスメイトおすすめのバーを巡りました。
あるバーのイベントではモルゴンの若い生産者が来ており、ワインをいただきながら直接話を聞くことができました。

ボジョレーの今
フランスの農業管轄省の9月時点での発表によると、2025年の国内ワイン生産は近年で最も低い水準になる見通しで、ボジョレーも例外ではありません。
販売本数は長期的に減少し、2018年の約2,200万本から2024年には約1,430万本まで縮小しました。しかし品質はむしろ向上していると言われており、アルコール摂取量は少なく、より良くという流れは鮮明になっています。
また、アメリカでは2025年8月からEUワインに15%の関税が課されるなど逆風が吹いていますが、手頃な価格帯のヌーヴォーにどんな影響を及ぼすのかは未知数です。
市場環境の不透明さはあるものの、それでも解禁日を心待ちにする人々の存在を見ていると、やはりフランスのワインは単なるアルコールではなく、またマーケティングや季節のイベントの域を超えた、ひとつの文化なのだと実感します。

