Last Updated on 2025年10月3日
MBAプログラムが始まってから、予想以上に課題に追われる日々を過ごしています。
ケーススタディやグループワークに加え、授業前の予習も欠かせません。
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AIに関する授業は必須科目
私の学校では「AIとビジネス」がテーマの講義が必須科目で、9月下旬から講義が始まります。
担当の教授から早速、事前予習の宿題が出されました。この宿題はAIの基本的な機能などを理解するためのものでAI関連の業界で活躍するビジネスマンへのインタビューの聴講などもあり、相当のボリュームがあります。
想定受講時間は4時間とありますが、私の英語力ではこの2,3倍の時間がかかります。他の課題にも追われる身としては「これを全部やるのか…」という気分です。
毎日本当に少しずつですが、受講を続けていく中で、思いがけず自分の価値観に影響を与える学びを得ることがあります。特に心に残ったのは、あるシリコンバレーの若きエンジニアがインタビューで語っていた言葉です。
シリコンバレーのエンジニアによる学生へのアドバイス
彼女は多くの人と同様、AIは今後必要不可欠のツールだと話しています。これからの時代、AIはビジネスのあらゆる場面で情報を処理し、業務を効率化し、利益を最大化するために必要な存在になるだろう。AIはビジネスに限らず、これまで高度な専門性が必要とされてきた分野、例えば医学や法学においても、人間に代わってAIが担うようになる、と断言していました。
MBAで学ぶ私たちは「AIによって奪われる立場の人間」ではなく「AIを活用して新しい価値を生み出す側」であるべきだ、と頭では理解していましたが、彼女の話を聞いて少しだけ背筋が伸びるような感覚を抱きました。
AIの時代、人間はどうすればよいのか。この問いに対し、彼女が提示した答えはとてもシンプルでした。
- AIの進化についていくこと
- 思考を放棄しない
1. AIの進化についていく
AIを売りにしている企業は新しいモデルを頻繁に開発していて、これによって私たちができることの範囲も一気に広がっています。このような情報はいたるところで目にしており、すべてを理解する必要はないまでも、少なくとも「今どんなことが可能なのか」を知っておくことが大切だと彼女は言いました。知識があることで恐れは減り、議論の場でも自信を持って意見を述べることができるからです。
これは留学生活にも直結すると思います。教授やクラスメイトとのディスカッションでは、最新の技術や社会的変化を前提に議論が進みます。AIのことは多くの人にとっての関心領域ではありますが、私を含め多くの人はAIがどんなものかを体系的に理解できている人はあまりいないと思います。だから話が分かるかどうかで発言の質も大きく変わります。
宿題として課されているこのコースの内容は、単なる知識習得ではなく、ディスカッションをより実りあるものにするための最低限の共通言語でもあるように感じました。私の知識はまだほんの序の口ですが…。
2. 思考を放棄しない
AIが導き出す答えは必ずしも正解ではありません。だからこそ大切なのは「自分の意見を持つこと」。ニュースを読んだとき、AIが生成した文章を目にしたとき、あるいは授業で新しい理論を学んだとき──それをただ受け入れるのではなく、「本当にそうなのか?」「背景には何があるのか?」と問いを立て、自分でも考える習慣が求められます。
MBA留学では多様なバックグラウンドを持つ仲間と議論を交わす機会が無数にあります。その中で「私はこう思う」と言えることは、存在感を示す上で欠かせません。AIの時代に限らず、グローバルな環境で学ぶ私たちにとって必須の力だと改めて実感しました。
留学生活とAIの交差点
宿題として始めたAIの学習ですが、進めるうちに、これは単なる技術の話ではなく、「考える葦」である人間の、そして人間を取り巻く社会の根幹に関わるテーマだと強く感じるようになりました。AIはツールでありながら、人々の働き方や生き方そのものを変えていく存在です。
だからこそ「AIに追われる立場」になるのではなく、「AIを活かして自分の価値を高める立場」にならなくてはならない。宿題をやりながら、そんな覚悟を新たにしました。ビジネスとなるとなおさら、AIとの向き合い方自体で、AIは敵にも味方にもなる気がします。
終わりに 「課題」で終わらせたくない学びの数々
これから始まるAIの授業でどんな知見を得られるのか、そしてどう生かしていけるか。専門用語が多くて授業についていけるか不安ですが、今世の中が注目しているテーマでもあると思うので、楽しみです。
AIの授業に限らず、日々、ついつい作業に追われて「宿題」や「課題」などの義務ととらえがちですが、自分ごととしてしっかり身につけていきたいと思います。